ラテングラミー開催地がまたまたLAへ

 

 ラテングラミー賞が去年から始まりました。これはけっこう注目を集めました。ラテン音楽の発達の中での大きな布石であり、同時にラティーノ同士の対立を浮き彫りにしているイベント。
 どんどん巨大化していくラテン音楽産業。ラテングラミーの開催は、ラテンがロックやR&B、ジャズ、クラシックなどと同じぐらい有名かつ人気になっていることをあらわします。アーティストの数もうなぎのぼり状態になっていますし、正当な評価をするという意味でも大変良いことかと思います。

 しかし、そのよこでは対立も見え隠れします。去年の司会者であったグロリアエステファンとウィリーコロン。決して、この二人が犬猿の仲であるというわけではないのですが、ウィリーコロンは「エステファンファミリーの大ヒットは、『ラテン音楽=キューバ移民組の音楽』という図式を作ってしまった。現在のラテンブームはキューバばっかりで他国のラテン文化もキューバ色に塗り替えられてしまう、キューバ色にしないと評価されないんだ」という内容の厳しいコメントをしています。
 ちなみにウィリーコロンは「サルサは音楽ではない、コンセプトだ」と言って、70年代のサルサ発達に大きく貢献した人。サルサ音楽の発達だけでなく、貧困にあえぐたくさんの移民ラティーノへ勇気と元気を与えた偉大な人物。しかし、現在はその強烈な発言などがあちこちで波紋を呼んでしまったため、ニューヨークからメキシコへ移住している。

 また、これは第一回の開催から続いているのですが、反カストロ強硬派(社会主義のキューバを非難し、実力行使に出る人たち)の動向がラテングラミー開催に大きくかかわっています。グロリアエステファンが「キューバの音楽もすばらしい作品が多く、アメリカで販売、演奏などが行われることは良いことだ思う」と発言すれば、グロリアのステキな白い家で爆弾騒動がおきたり、キューバ人のアーティストを呼ぶといえば反対運動するし、彼らの動向が開催できるかどうかに大きくかかわっています。
 第一回の開催地はマイアミの予定でしたが、マイアミ市の条例「キューバ人の経済活動を禁止する」という問題、および反カストロ強硬派のテロなどを恐れてLAになりました。その後、マイアミ市では政治家の世代交代が進んで条例が廃止になり、第二回の開催地はマイアミにしようと一旦は決まりました。しかし、反カストロ強硬派がラテングラミー開催日に抗議デモを計画、安全を保障できなくなったため、またまた急遽LA開催になってしまった。

 ところで、今年はどんな人が出てくるんでしょうか?オルケスタデラルスのように日本人が受賞できる日がまた来るといいですね。

 


エミリオエステファンJrとキケサンタンデールの対立

 

 エミリオエステファンJrはグロリアエステファンの夫であり、ラテン界の大物プロデューサ。キケサンタンデールは優秀な作曲家で、グロリアエステファンの作品にも数多くのキケ作品が登場しています。しかし、最近までガッチリ組み合って、多くのヒットを生んできた名コンビが、いま裁判になるほど大モメしているのです。

 まず、キケが提供楽曲に対する印税の支払いと契約の解除を求めてエミリオを相手に訴訟を起こしました。すると、エミリオは契約不履行などでキケを逆訴訟したのでした。
 エミリオの会社側は、キケがエミリオ会社との契約満了前にライバル会社を設立、エミリオ会社の作曲家の楽曲などを脅し取ろうとしたなどと話している。キケの作品はエミリオ会社のものになるのか、キケ会社のものになるのか、そもそもキケは契約不履行なのか、裁判が終わるまでははっきりわかりません。このコンビは復活するのか?多分無理でしょう。